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続・現存する作家で、おすすめしたい人たち

次は、癖のある、一般の人は敬遠しがちな作家たちを。


◯金原ひとみ


綿矢りさと共に芥川賞を最年少で受賞した作家。作品を追うごとに確実にレベルアップしてる小説家だと思います。
その内容は暴力的でグロテスクではありますが、同時に言い換えられない「哀しみ」も内在します。
『蛇にピアス』より、『アッシュベイビー』『AMEBIC』『オートフィクション』を。


◯村上龍


村上春樹と共にW村上ともてはやされた作家。現在でも人気も実力もありますが、出来不出来のめだつ作家でもある(笑)
作品の多くは暴力とセックスに満ち、退廃を予感させますが、近年では「希望」を集中的に描いてる作家です。とりあえず初期の『限りなく透明に近いブルー』『コインロッカー・ベイビーズ』『トパーズ』『69』、近作では『村上龍映画小説集』『イン ザ・ミソスープ』『ラブ&ポップ』などを。


◯中原昌也


めちゃくちゃ癖の強い作家です。読者に絶対に何がなんでも感情移入させず、共感させない。意味のないストーリーとも呼べない小説を描く作家。しかし、ちゃんと物語。個人的に日本の作家で評価されてしかるべき人物でしょうが、文壇にも敵が多いよう(笑)
『子猫の読む乱暴者日記』『あらゆる場所に花束が……』を。


◯舞城王太郎


何というか、今いる若手の作家で一番活躍してる、実力もあるすばらしい小説家です。今までに、少なくとも今までの日本にはなかった手法で新たな世界を築き続けています。暴力的な表面に比べ、中身はふわっと、柔らかく、愛にみちみちています。
初めてなら『煙か土か食い物』、慣れたら『阿修羅ガール』『好き好き大好き超愛してる』を。


◯笙野頼子


文章がリズミカルで思わず朗読しちゃいそう。リアリズムと幻想の狭間にいるような小説を書きます。非常に難解で、受け入れにくいですが、はまる人ははまる。まずは『二百回忌』『タイムスリップ・コンビナート』などを。


◯古川日出男


ジャンルクロスオーバーする作家のひとり。独特な読者に話しかけるような文体と愛情と無情にみちた物語を書いてます。
『LOVE』『ベルカ、吠えないのか?』などを。


◯山田詠美


アジアでは「女・村上龍」とも言われる山田詠美。とろけるような文章と可愛らしい恋愛を描かせたら東西随一ではないかと。暴力的というより、黒人などの人種差別をモチーフにした作品が多いです。あと、セックスはとても肉感的で、しかし微笑ましい愛の光景として描きます。
『ベッドタイムアイズ』『ジェシーの背骨』『放課後の音符』『120%COOOL』などを。


◯金井美恵子


一作しか持っていないのですが、たしかな手応えを感じます。長く官能的な文章で、描写力に長けた作家だと思います。
『柔らかい土をふんで、』など。


◯青木惇悟


若手男性作家です。とても実験的なたくらみや構成の小説を描くのが得意です。さまざまな仕掛けを施した文章は、気持ち悪いくらいにリアルです。
まずは『四十日と四十夜のメルヘン』を。


海外の作家も今度紹介したいと思います。出来るだけ早く。
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by 竹永翔一  at 00:31 |  雑記 |  comment (2)  |  trackback (0)  |  page top ↑
Comments

読んだ事のない作家がたくさん

う~ん、この中では、読んだ事のない作家の方が多い。
個人的に好きなのは、金原ひとみ、これは翔一さんもご承知の通り。
あと、『ラブ&ポップ』も面白かったです。

記事を一読した印象では、古川日出男と青木惇悟が面白そう……という感じ。
この選択、どうでしょうかね。

金井美恵子は古い人だけど、かなりの実力ある作家らしいですね。
(読んだ事ないですが、或る文庫本の解説で、かなり過激な事を仰っていました)
by エマウス 2007/10/18 17:52  URL [ 編集 ]

古川日出男と青木淳悟はいいですよ!!
俺もまだそれぞれ一冊ずつしか読んでませんが(笑)

金井美恵子は一回は読んだほうがいいと思いますよ。彼女の文章には、脱帽です。

村上龍は、やっぱり『コインロッカー・ベイビーズ』か『69』を読んでほしい(笑)傑作ですから。
by 翔一 2007/10/19 00:05  URL [ 編集 ]
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